toggle
2018-09-05

施術者として、心とからだの声を聴くということ

先日、左脚の痛みとむくみと痺れにお困りの76歳の女性が、足立区から来られました。2年ほど前、駅の階段を降りているときに「どいて!」と押され、転げ落ちては大変と左足でふんばったのがきっかけだそうですが、それ以降だんだんと症状が悪化し今年の4月からは杖を使わないと歩けなくなってしまったとのことでした。

今までも近所の整形外科に行きレントゲンやMRIの検査を受けたそうですが、何の異常もないとのこと。某大学病院では全身を調べてもらったそうですが「年齢よりとてもいい状態だ」とお墨付きをいただいているそうで、医師からは「(左脚の痛みは)どうしてなんでしょうね…」と逆に言われているそうです。現代医学ではまったく問題なしのおからだなのですが、あきらかに痛くてむくんでしびれているのです。

私の施術室に来たいただいた時も、杖をつきながら痛そうな歩き方をされていました。左脚を拝見すると膝から下は確かにむくんでいますし触れた感じも緊張も強く痛そうでした。一通りお話をお聴きしてから施術をおこないました。結果から申しますと、施術が終わりベッドから降りる際には「あれ?痛くない…」とのこと、お帰りの際には杖はカバンにしまって笑顔で帰られました。13時に来ていただいたのですがお帰りになったのは15時半。でも150分も施術をしていたのではありません。施術時間は45分ほどでしたが、左脚に触れることもほとんどありませんでした。

では、105分は何をしていたのか?というと、お仕事場でのこと、亡くなったご主人のこと、ご兄弟のこと、ご両親のこと、ご自身のこと…をひたすらじっくりお聴きしました。

「とにかく傾聴すること」

慢性的な痛みや症状の背景には、からだの異常だけでなく社会心理的な要因が必ず絡んでいます。そのような場合はからだだけ施術しても良い結果にはつながりません。でも、いくらお話をお聴きすることが大切だと言っても、私以外にスタッフがいたり利用者さんが隣に座っていたりしたら、きっとここまでお話していただくことはなかったと思います。そのうえ、ご家族にまったく関係のない私ですから、話しやすかったのかもしれません。

先日、施術をしてから4日後にお電話をいただきましたが、あれ以降は杖なしで歩いているとのことでした。施術後のあの笑顔(結果)は一時的な反応ではなかったようで安心しました。痛みもゼロではないもののはるかに小さくなったそうですが、これからが始まりです。

今後もより良い施術と空間をご提供するとともに、陽性のストロークを返し続けられる施術者でありたいと思います。

 

※ お話いただくのは自由です。お話いただかなくてもかまいません。

シェアしていただけると嬉しいです!
関連記事